手術をした場合も障害年金の対象になる?
人工関節やペースメーカーを入れる手術をした場合、障害年金の対象になる可能性があります。
手術をしたこと自体が基準になる傷病も、実は少なくありません。
ただし、受給できるかどうかは、初診日にどの年金制度に加入していたかで大きく変わります。
人工関節(人工股関節・人工膝関節など)の場合
障害厚生年金の認定基準では、人工関節や人工骨頭を挿入置換した場合、原則として3級に該当します。
ここで注意したいのが、3級は厚生年金だけの等級という点です。
- 初診日に厚生年金に加入していた方:3級に該当すれば障害厚生年金の対象になります。
- 初診日に国民年金のみだった方:障害基礎年金は1級・2級だけです。人工関節を入れただけでは、原則として対象になりません。日常生活への支障がさらに大きい場合は、2級以上になる可能性もあります。
なお、肘関節は、関節の部位によって扱いが分かれるので、診断書の記載内容をよく確認しましょう。
ペースメーカー・ICDなどの場合
心臓の植え込み型の機器は、種類によって等級の目安が決まっています。
| 装着した機器 | 等級の目安 |
|---|---|
| ペースメーカー、ICD(植え込み型除細動器) | 原則3級 |
| CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D | 原則2級 |
| 人工弁 | 原則3級 |
ペースメーカー、ICD、人工弁は3級が目安なので、人工関節と同じく、国民年金のみの方は障害基礎年金の対象になりにくい点に注意が必要です。ただし、心不全の症状が強いなど、日常生活への支障が重い場合は、上位の等級になることもあります。
障害認定日はいつ?
障害年金には、原則として初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日になるルールがあります。ただし、手術の内容によっては、この日が早まります。
- 人工関節:初診日から1年6か月以内に挿入置換した場合は、手術をした日
- ペースメーカー:初診日から1年6か月以内に装着した場合は、装着した日
手術から時間がたってから請求することもできますが、さかのぼって受け取れるのは請求した時点から5年分までです。手術後は早めに準備を進めましょう。
身体障害者手帳とは別の制度です
「手帳が非該当だったから障害年金も無理」と思い込んでいる方は多いのですが、2つは別の制度で、基準も異なります。たとえば人工関節は、障害年金では原則3級でも、身体障害者手帳では非該当になるケースがあります。手帳の結果だけで判断せず、障害年金の基準で確認してください。
申請前に確認しておきたいこと
- 初診日:手術を受けた病院ではなく、その病気で最初に受診した医療機関が初診日です。
- 保険料の納付状況:初診日の前日までの加入期間のうち、原則として3分の2以上納付していることが必要です。
- 加入していた年金制度:3級に該当しても、国民年金のみだと対象外になる場合があります。
- 診断書の取得:手術をした病院だけでなく、受診状況によっては複数の医療機関に書類を依頼することになります。
まとめ
人工関節やペースメーカーの手術は、障害年金の等級の目安がはっきりしている分、初診日に加入していた年金制度が結果を左右します。厚生年金に加入していた方は、手術後に3級の対象になる可能性があります。「自分は当てはまるのか」と迷ったら、年金事務所や専門家に相談してみてください。
※本記事は令和8年度時点の情報です。認定基準や手続きは変更されることがあるため、最新情報は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。